【アイドル運営向け】電子チケット販売で損しないための3つの基準|TIGET・LivePocket・TicketDive
チケットサービスを選ぶときに最初に見るべきなのはコスト構造です。特に次の2つが、運営資金とファン心理の双方に重くのしかかります。
手数料には2つの罠がある
【運営視点】数%の手数料が「制作費」を直接削り取る
チケット売上は、新曲発注・衣装制作・MV撮影・ワンマン会場費などの原資そのものです。
5%前後の販売手数料は、運営の利益やクリエイティブ資金からダイレクトに引かれる痛い出費になります。
【ファン視点】「隠れた手数料」がファンの現場離れを引き起こす
アイドルのファンには、月に何度も現場に通う人が少なくありません。
1回200〜300円の利用料でも、通う回数が増えれば年間で数千円から1万円以上の負担になります。
「たかが数百円」の蓄積が「今週は1回減らそうか」という心理的ハードルを生み、リピート率を下げる原因になりかねません。
運営の制作資金(手残り)を最大化しつつ、ファンの参戦ハードルを下げるには、手数料構造の最適化が欠かせません。本記事では主要3社を比較します。
※ アイドルイベントやライブハウスの公演で使われることが多く、必要な機能が揃っている3社に絞りました。
【結論】主要3社のコスト・特徴比較表
コスト比較
誰がいくら払うのかを分けて整理します。ここを混ぜて書いている比較記事が多いのですが、主催者の負担と購入者の負担は別のものです。
| サービス | 主催者の販売手数料 | 購入者に必ずかかる手数料 | 手数料の負担者 |
|---|---|---|---|
| TicketDive | 0% | 価格×5% (1,000円以上は+130円) | 購入者(標準) |
| LivePocket | 5% | システム利用料 165円 | 主催者/購入者を選択 |
| TIGET | 5.5% | システム手数料220円 +電子チケット利用料99円 =319円 | 主催者/購入者を選択 |
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※2026年8月、各社公式サイト・公式ヘルプで確認。TIGETの販売手数料は公式料金ページの表示。公式ヘルプには「5.5〜16.5%」と記載があります。
TicketDiveは、購入者が手数料を負担する形が標準です。主催者の販売手数料は0%で固定されているため、「転嫁するかどうか」を設定する必要がありません。
残る2社は、主催者が販売手数料を被るか、購入者に転嫁するかを選ぶ形になります。ただし、どちらを選んでもLivePocketの165円とTIGETの319円は購入者に発生します。
特徴比較表
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| TicketDive | 主催者の販売手数料が0%。購入者負担が標準で、その負担額も3社で最も軽い。アイドル・ライブ系の主催者に幅広く利用されている |
| TIGET | 「当日払い」の予約画面がシンプルで、受付のハードルが低い。多言語にも対応可 |
| LivePocket | 販売手数料を主催者が負担する運用の実績が多く、慣れ親しまれている |
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※当日払い(取り置き・現地精算)自体は3社とも対応しています。
損しないための3つの基準
1. 「主催者戻し100%」と「ファン負担最小化」を両立できているか
運営の粗利を最大化するために、手数料を購入者負担に設定する運用が現在では主流です。
しかし購入者に転嫁すると、今度はファン側の負担が高くなり、リピート率の低下を招きます。「主催者の手取りを100%確保しつつ、購入者の負担も最小に抑えられるか」が最大の選定基準です。
ここで効いてくるのが、LivePocketの165円とTIGETの319円は、転嫁の設定に関わらず購入者に発生するという点です。この固定額に、転嫁した販売手数料が上乗せされます。
つまりこの2社では、ファンの負担を軽くしようとすると主催者が販売手数料を被ることになり、両立ができません。
TicketDiveは主催者の販売手数料がもともと0%なので、そもそも転嫁という概念がありません。主催者は常に手取り100%で、ファンの負担も一定です。
2. アイドル界隈での「認知度・ファンの使い慣れ」があるか
どれだけコストが安くても、ファンになじみのないシステムでは混乱が起きる可能性があります。
購入から入場までのフローが定着していることも重要な観点です。
3. 年間数千〜数万枚規模で発生する「累積コスト」のインパクト
1公演あたりの手数料差はわずかに思えても、月に数回の主催ライブを行う運営にとって、年間での累積コストは大きくなります。
年間の総売上が1,000万円規模に達する場合、数%の手数料差やファン側の上乗せ費用は、数十万円単位の差を生みます。
【シミュレーション】手取り100%運用でのコスト検証
試算条件は次のとおりです。
- 1公演の売上30万円(チケット3,000円 × 100枚)
- 年間24回開催(年間売上720万円・年間2,400枚)
- 主催者の手取りを100%残す運用(LivePocketとTIGETは販売手数料を全額購入者に転嫁)
この条件でファン全体が負担する手数料の総額を比較します。
| サービス | 計算式 | ファン1枚あたり | 年間2,400枚の総額 |
|---|---|---|---|
| TicketDive | 3,000×5% + 130円 | 280円 | 672,000円 |
| LivePocket | 3,000×5% + 165円 | 315円 | 756,000円 |
| TIGET | 3,000×5.5% + 319円 | 484円 | 1,161,600円 |
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※主催者の手取りはいずれも720万円。ファンが負担する金額だけが変わります。
TicketDiveとTIGETの差は、年間489,600円。同じ売上・同じ公演数で、ファンが払う総額だけがこれだけ違います。
1枚あたりでは204円の差ですが、月に3回通うファンなら年間で約7,300円。チケット2枚半分の金額がファンの手元に残るかどうかが変わります。
※厳密には、振込手数料が主催者側に残ります。TicketDive 145円/回、LivePocket・TIGET 550円/回です。
あなたの現場に向いている最適なサービスは?
TIGETが向いている主催者:「当日払い」のイベントが多い運営
当日払い(取り置き・現地精算)とは、オンラインで事前の整理番号予約のみを行い、チケット代金はイベント当日に会場受付で回収する形式です。
3社とも対応していますが、TIGETは事前決済を伴わない取り置き予約の画面がシンプルで、当日精算メインのイベントで扱いやすい作りになっています。
LivePocketが向いている主催者:販売手数料を「主催者負担」にしたい運営
ファンの負担をできるだけ抑えたいという方針から、販売手数料5%を主催者側で負担する運用を続けたい場合に適しています。
ただし、システム利用料165円は設定に関わらず購入者に発生します。ファンの負担を完全にゼロにはできない点は把握しておく必要があります。
TicketDiveが向いている主催者:手取りを100%にし、かつファンの負担も抑えたい運営
主催者の販売手数料が0%のため、手取りを削らずに運用できます。そのうえでファンの負担も3社で最も軽くなります。
制作資金を確保しながら、通ってくれるファンの負担も抑えたい運営にとって、合理的な選択肢になります。
まとめ
主催者の手取りとファンの負担は、片方を軽くすればもう片方が重くなる関係にあり、両方を同時に軽くすることができません。
そんな中で、TicketDiveは主催者の販売手数料が0%で、購入者負担が標準です。手取り100%を保ったままファンの負担も3社で最小になり、年間24公演の規模ならファン全体で約49万円の差が生まれます。
各社の5社比較や、振込手数料・入金サイクルまで含めた一覧はチケット販売サービスの手数料比較にまとめています。
よくある質問
既に利用しているサービスがあります。切り替えてもファンは迷いませんか?
電子チケットの購入・発券フローはどのサービスも大きくは変わらないため、操作で迷うことはほとんどありません。むしろファン側の手数料が下がれば、好印象につながります。
無料イベントや予約のみのイベントでも手数料はかかりますか?
3社とも、チケット代0円の無料イベントでは主催者の販売手数料はかかりません。
購入者への転嫁は、どのサービスでもできますか?
LivePocketとTIGETは販売手数料の購入者転嫁に対応しています。TicketDiveは主催者の販売手数料が0%で購入者負担が標準のため、転嫁の設定自体がありません。なおLivePocketの165円とTIGETの319円は、設定に関わらず購入者に発生します。